このページでは,数値・単位・数式等に関する内容を記します.

目次

  1. 数値
    1. 桁区切り
    2. 大字
  2. 単位
    1. SI接頭辞
    2. 尺貫法
    3. 助数詞
  3. 数式
    1. 斜体・立体
    2. アキ
    3. 3点リーダー
  4. 参考文献

数値

桁区切り

3桁区切りのカンマは4分(または2分)で組みます.

大字

大字だいじは文字の混同や書類の改竄を防ぐため,画数を増やした漢数字のことです.

算用数字 新字体の大字
0
1
2
3
4
5
6
7 漆 (質)
8
9
10 拾 (什)
100 陌 (佰)
1,000 阡 (仟)
10,000

単位

SI接頭辞

国際単位系—SI(インターナショナル・システム・オブ・ユニッツのフランス語に由来)—の接頭辞として,キロ・メガのようなものがあります.

SIでは接頭辞の二重使用が禁止されています.
また,我が国では計量法5条1項と計量単位令4条に十の整数乗を乗じたものを表す計量単位が定められており,法的な場面ではSI接頭辞の使用制限があります.

尺貫法

尺貫法は計量法8条より,取引又は証明に用いてはなりません.
ただし外部とのやりとりでない内部使用でまで禁止されるわけではないので,不動産の坪数や液体容器の一升瓶や一斗缶のように聞き覚えがある単位もあります.
いくつか挙げましょう.

距離

  • 1里 (4km弱) = 36町
  • 1町 (100m強) = 60間
  • 1丈 (3m強) = 10尺
  • 1間 (1.8m強) = 6尺
  • 1尺 (30cm強)

面積

  • 1町 (1ha弱) = 10反 = 100畝
  • 1畝 (100平方メートル弱) = 30坪
  • 1坪 (3.3平方メートル強)

体積

  • 1斗 (18L強) = 10升
  • 1升 (1.8L強) = 10合

質量

  • 1貫 (3.75kg) = 100両
  • 1斤 (600g)

助数詞

日本語では数詞を作る接尾辞に助数詞があります.
一覧として,大辞林特設ページが参考になります.

数式

斜体・立体

変数は斜体にします.
f(x)は斜体となることが一般的です.
xが特定の値ではない変数として扱われるのと同様に,f(・)も特定の関数を意味しない文脈で書かれるからです.

固有の意味を与えられるものは多くの場合,立体になります.
三角関数sinや対数関数logが典型例です.
円周率πやネイピア数e,微分記号d,組合せのC等もまた固有の意味を持っているため,1文字であるものの立体となります.
ただし,入力の手間もあるため,しばしば斜体で許容されています.

アキ

改行して数式のみを記すときは,sin等の固有の関数名の前後では区切りごとに4分アキにします.
+=等の演算子も独立した数式行では前後に余白を入れます.

アキを作らない例外もあります.
1つの例は,単に関数でなく定数・変数を並べた

のような場合です.

別の例は,記号が接頭辞的なニュアンスを持っている場合です.
合計を表すや,積分記号は「〜という式を足し合わせる(The sum of 〜)」というニュアンスがありますから,その記号の後方に前方よりもアキをとると可読性が損なわれます.

特に,1文字のアルファベットに見えますが,微分記号dは,「わずかな〜の幅の中で」という意味を持った接頭辞ですから,dxdyの形で一塊りの単語として扱います.
したがって,dxdyの間には余白を設けず,

のようにします.

また,インラインの数式はベタ組とする場合もあります.

3点リーダー

読み手が正しく文章を理解できるよう,3点リーダーの前後にはコンマや数学記号が必要でないか注意が必要です.
次は素数が無限に存在することの証明の例です.

素数が有限であるとすると,素数

の積によって自然数を表すことができるはずである.
ここで,ある数

を考えると,いずれの素数でも割り切ることができない.
これは矛盾であるので,素数は有限ではない.

最初の3点リーダーでは1つずつ列挙しているところの途中を省略しているので,全部記したときと同様にコンマが必要です.
後ろの3点リーダーでは変数を掛け算しているので,全部記したときと同様にコンマが不要です.

参考文献

数式や化学式を含む,横組みの組み方が説明されています.

  • 日本エディタースクール (2012)「新編 校正技術 講座テキスト版 4」.