このページは法令用語の備忘録です.

目次

  1. 並びに・及び
  2. とき・時
  3. 前・以前
  4. 直ちに・速やかに・遅滞なく
  5. 推定する・みなす
  6. その他・その他の
  7. 違法・不法
  8. 期間・期限
  9. 参考文献

並びに・及び

並びに及びよりも上位の階層で,及びが基本単位であり,最小単位として使います.
3項目以上の並記ならA、B及びCの形です.
体言ならA及びB,用言ならAし、及びBと読点に使い分けがあります.

若しくは又はよりも下位の階層で,又はは最大単位に使います.
3項目以上の並記と読点の使い分けは並びに及びと同様です.

とき・時

ときは条件,は時間を表します.

場合も条件を表します.
階層がある場合には,場合以下の階層でときを使います.

前・以前

以前は量でいうところの未満と以下のような関係です.
以後も同様です.

直ちに・速やかに・遅滞なく

直ちに速やかに遅滞なくの順で迅速な対応が要求されます.
直ちにはすぐにアクションを起こすことが求められ,遅滞なくだと合理的な理由があれば遅れることもやむなしというイメージです.
速やかには中間的です.

推定する・みなす

とりあえずで決めたものを証拠によって覆せるのが推定するであるのに対し,決めたもので進めようというのがみなすです.

その他・その他の

Aその他BはAとBが並列,Aその他のBはAはBに包含される関係です.

違法・不法

違法は法令に反することです.
不法は故意過失・責任能力や実質的な法秩序の観点から法令に反しているというニュアンスを込めて用いられます.(例:不法所持.)

関連して,不正は道義的にも客観的にも法令に反することをいっています.(例:不正受給.)
不当は形式的には法令違反ではないけれども,制度の趣旨から見て適当でないときを指します.(例:行政庁の不当な処分.)

期間・期限

期間は始点と終点を持つスパンであり,期限は終点です.
なお,期日は特定の日です.

参考文献

様々な条文を例に取り,法令用語の使い分けを説明しています.

  • 法政執務用語研究会 (2012)「条文の読み方」有斐閣