法令用語
このページは法令用語の備忘録です.
目次
並びに・及び
並びに
は及び
よりも上位の階層で,及び
が基本単位であり,最小単位として使います.
3項目以上の並記ならA、B及びC
の形です.
体言ならA及びB
,用言ならAし、及びB
と読点に使い分けがあります.
若しくは
は又は
よりも下位の階層で,又は
は最大単位に使います.
3項目以上の並記と読点の使い分けは並びに
・及び
と同様です.
とき・時
とき
は条件,時
は時間を表します.
場合
も条件を表します.
階層がある場合には,場合
以下の階層でとき
を使います.
前・以前
前
・以前
は量でいうところの未満と以下のような関係です.
後
と以後
も同様です.
直ちに・速やかに・遅滞なく
直ちに
・速やかに
・遅滞なく
の順で迅速な対応が要求されます.
直ちに
はすぐにアクションを起こすことが求められ,遅滞なく
だと合理的な理由があれば遅れることもやむなしというイメージです.
速やかに
は中間的です.
推定する・みなす
とりあえずで決めたものを証拠によって覆せるのが推定する
であるのに対し,決めたもので進めようというのがみなす
です.
その他・その他の
Aその他B
はAとBが並列,Aその他のB
はAはBに包含される関係です.
違法・不法
違法
は法令に反することです.
不法
は故意過失・責任能力や実質的な法秩序の観点から法令に反しているというニュアンスを込めて用いられます.(例:不法所持.)
関連して,不正
は道義的にも客観的にも法令に反することをいっています.(例:不正受給.)
不当
は形式的には法令違反ではないけれども,制度の趣旨から見て適当でないときを指します.(例:行政庁の不当な処分.)
期間・期限
期間
は始点と終点を持つスパンであり,期限
は終点です.
なお,期日
は特定の日です.
参考文献
様々な条文を例に取り,法令用語の使い分けを説明しています.
- 法政執務用語研究会 (2012)「条文の読み方」有斐閣