食品安全性に関する法令の整理です.

目次

  1. 法令
  2. アレルゲン
  3. 保健機能食品
    1. 特定保健用食品(トクホ)
    2. 機能性表示食品
    3. 栄養機能食品

法令

2021/2/28時点の整理です.

アレルゲン

食品表示法でアレルゲンの表示基準を定めること(4条1項)が要求されており,食品関連事業者等がその基準に従って表示されていない食品の販売をすることは禁止されています(5条).

食品表示基準は「特定原材料」の表示を義務付けています(3条).
特定原材料は以下の7品目です(別表14).

えび
かに
小麦
そば


落花生

また,特定原材料に準ずるものとして,以下があります.
消費者庁「平成27年3月30日消食表第139号別添アレルゲン関係」による.)
こちらの記載は努力義務という扱いです.

アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン

保健機能食品

保健機能食品には特定保健用食品,機能性表示食品,栄養機能食品の3種類があります.
特定保健用食品,栄養機能食品及び機能性表示食品以外の食品に,食品の持つ効果や機能を表示することはできません(食品表示基準9条).
保健機能食品は医薬品と異なり,疾病の治療や予防を目的とはしません.

特定保健用食品(トクホ)

特定保健用食品(トクホ)は国の審査・許可が必要です(健康増進法43条第1項).
品目一覧が消費者庁からダウンロードできます.

トクホには関与成分とその摂取による保健用途の表示があります.
また,ロゴが存在します.

機能性表示食品

機能性表示食品は販売前の届出によって許可されます.
国の審査と比較すれば手続き的に簡潔になるので,機能性表示はトクホよりも企業の自主的な表示を促すことに主眼を置いた制度といえます.
制度上は事後的規制を確保することで,食品の安全性・機能性を担保しています.
機能性表示食品の届出情報は消費者庁で検索できます.

国の審査が欠けるため,制限が課されます.
「機能性表示食品」制度がはじまりますというパンフレットでは,届出時点のチェックリストに疾病に罹患している者,未成年者,妊産婦(妊娠を計画している者を含む.),授乳婦を対象に開発された食品ではないことが記されています.
パッケージには,必要な情報の表示が要求されます.
また,疾病の治療効果又は予防効果を標榜する用語は表示できません(食品表示基準9条・23条).

栄養機能食品

栄養機能食品は自己認証制度です.
課される制約は機能性表示食品より強くなります.

一日当たりの摂取目安中の栄養成分量が定められた範囲内にあること(推定値は不可)と,注意喚起表示等の表示も必要です.
注意喚起表示の文言は食品表示基準別表11に定められており,成分によって異なりますが,次のようなものです.

本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。一日の摂取目安量を守ってください。

栄養機能食品であることが一般用加工食品の容器包装に表示される場合,食品表示基準7条により特定の挿入文言が与えられます.

本品は、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。

食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。

です.
また,栄養機能食品では「ダイエットに」・「目の疲れに」など,特定の保健の目的は表示をすることはできません(食品表示基準9条・23条).