textlintを設定してライターに自動校正を提供する
azuさんの開発したtextlintはコマンドラインから使用する校正ツールです.
表記揺れなどのルールを予め定めておくことで,機械的に校正を施すことができます.
一度設定まで済ませてしまえばライター自身で執筆物の品質を保って編集者に納品でき,チェックバック時の負担を減らすことができます.
目次
ライターに使いやすくするために
macOSであればショートカット.appやAuthomator.appというアプリケーションがあります.
これらを使えば,次のようなことができます.
-
あるフォルダにファイルがあるときに,ボタン1つで自動校正の処理が行われるようにする(ショートカット.app).
-
フォルダにファイルを入れたことをトリガーとして,処理を行う(Authomator.appのフォルダアクション).
それぞれのアプリケーションについては本ページでは扱いません.
ここでは,次節以降でライターのために用意するシステムについて説明していきます.
インストールと実行方法
textlintのインストール
まず,あるディレクトリで次のようにしてtextlintをインストールします.
npm init -y |
ルールのインストールと設定ファイルの作成
次に,後述するルールを次のようにしてインストールします.
npm install --save-dev ルール |
また,ルールの設定のため,このディレクトリに.textlintrc
という名前でファイルを作りますが,書き方についてはルールと併せて紹介します.
textlintの実行
このディレクトリで,.txt
で終わる任意のテキストファイルにtextlintを用いて修正候補となる箇所を調べるには次のようにします.
npx textlint "**/*.txt" |
なお,--fix
オプションをつけて
npx textlint --fix "**/*.txt" |
とすると,修正まで自動化されます.
ルール
ここでは,「句点抜け」・「表記揺れ」・「NGワード」の3種類の自動校正を扱います.
その他の処理はGitHubのtextlintのページにてお探しください.
句点抜け
日本語の行末に句点が抜けるのを抑えるには,textlint-rule-ja-no-mixed-periodを使います.
ルールをインストールするには,前節でnpm install --save-dev ルール
としていた箇所を
npm install --save-dev textlint-rule-ja-no-mixed-period |
とします.
設定は,.textlintrc
に次の通りJSON形式で記述します.
{ |
インストールと設定を済ませたら,textlintを実行するだけです.
以下,備考です.
- このルールでは,疑問符や括弧が文末の場合,例外としてエラーになりません.
- 箇条書きではチェックをスキップします.(textlint-rule-period-in-list-itemというルールが別途あります.)
表記揺れ
表記揺れを抑えるには,textlint-rule-prhというルールをインストールします.
npm install --save-dev textlint-rule-prh |
.textlintrc
の設定には,表記揺れチェックのための参照ファイルが2本あるとすれば,
{ |
と書きます.
ここでyaml形式のファイルは,
version: 1 |
という形で作ります.
このようにして,expected
に指定した文字列「ハードウェア」へ統一をはかることができます.
NGワード
NGワードのチェックにはルールとして,textlint-rule-ng-wordを使います.
npm install --save-dev textlint-rule-ng-word |
.textlintrc
は次の形式です.
{ |
この例でNGワードとして指摘されるのは,word1
やword2
です.