LaTeXで特定箇所の余白調整をする
このページではLaTeXで本文を執筆するときに挿入・調整する,垂直/水平スペースについて整理しています.
目次
水平・垂直のスペース
指定長の水平スペース
\hspace{長さ}
により,水平方向に指定した長さのスペースを入れることができます.
\hspace{長さ}
は単語扱いであるため,この前後にスペースを置くと,前後の単語との間に別途単語間のスペースも挟まれます
また,単語扱いという性質から\hspace
関数を文頭に使うと,スペースが入りません.
このような場合は\hspace*{長さ}
とします.
端までの水平スペース
水平方向の端までスペースを入れるには\hspace{\fill}
とします.
同じことは単に\hfill
と書くことができます.
もし,
x{\hfill}y{\hfill}{\hfill}z |
とすると,xとzが両端にきて,yが内部の1:2の位置に配置されます.
なお,\hspace
関数の引数において,\fill
のn倍は\stretch{n}
と書くことができます.
垂直スペース
垂直方向は\vspace{長さ}
の書き方で\hspace
関数と同様です.
\vspace*{長さ}
・\vfill
も存在します.
段落間に挿入する垂直スペース
\smallskip
・\midskip
,\bigskip
という命令でほどよい垂直スペースを空けることができます.
改行後スペース
よく使われる\\
にオプションをつけることで,改行後に入る垂直スペースを指定することができます.
dummy sentence \\[5mm] |
文間/単語間スペースの補正
文の間のスペースは自動で入り,単語間より広くとられます.
しかし,ピリオドなど(.
・?
,!
)の直前の単語が大文字で終わる場合は文末と判断されません.
次のように,ピリオドなどの前に\@
を前置することで,文間スペースに修正されます.
Type SELECT \@. Then, ... |
反対に,小文字+ピリオドだと文間スペースができてしまいますので,単語間スペースとしたい場合には,\␣
と書きます.
Cohen et al.\␣examined ... |
語句間のスペース
quad
またはqquad
により,一定の関連性を持った語句の間に程よい長さのスペースを入れることができます.
qquad
の方がほんの少し広めです.
y = f(x) \quad f\mbox{は関数} |
単語間スペース
単語間のスペースは適度にとられます.
次の形で改行を避けた単語間スペースを入れることができます.
A~B |
なお,mbox{テキスト}
の形でテキストを囲んでおくと,枠付きのframe
で囲ったときと同様に改行されません.
文字のスペース
微小なスペース
小さい方から\,
・\:
・\;
の順で,文字の間にスペースをはさむことができます.
負のスペース
\!
でマイナスのスペースをはさむことができます.
A{\!}B |
参考文献
LaTeXの諸設定を解説した,LaTeXで組版された本です.
- 生田誠三 (2000)「LATEX2ε文典」朝倉書店