このページではLaTeXで本文を執筆するときに挿入・調整する,垂直/水平スペースについて整理しています.

目次

  1. 水平・垂直のスペース
    1. 指定長の水平スペース
    2. 端までの水平スペース
    3. 垂直スペース
  2. 段落間に挿入する垂直スペース
  3. 改行後スペース
  4. 文間/単語間スペースの補正
  5. 語句間のスペース
  6. 単語間スペース
  7. 文字のスペース
    1. 微小なスペース
    2. 負のスペース
  8. 参考文献

水平・垂直のスペース

指定長の水平スペース

\hspace{長さ}により,水平方向に指定した長さのスペースを入れることができます.

\hspace{長さ}は単語扱いであるため,この前後にスペースを置くと,前後の単語との間に別途単語間のスペースも挟まれます

また,単語扱いという性質から\hspace関数を文頭に使うと,スペースが入りません.
このような場合は\hspace*{長さ}とします.

端までの水平スペース

水平方向の端までスペースを入れるには\hspace{\fill}とします.
同じことは単に\hfillと書くことができます.
もし,

x{\hfill}y{\hfill}{\hfill}z

とすると,xとzが両端にきて,yが内部の1:2の位置に配置されます.

なお,\hspace関数の引数において,\fillのn倍は\stretch{n}と書くことができます.

垂直スペース

垂直方向は\vspace{長さ}の書き方で\hspace関数と同様です.
\vspace*{長さ}\vfillも存在します.

段落間に挿入する垂直スペース

\smallskip\midskip\bigskipという命令でほどよい垂直スペースを空けることができます.

改行後スペース

よく使われる\\ にオプションをつけることで,改行後に入る垂直スペースを指定することができます.

dummy sentence \\[5mm]
next

文間/単語間スペースの補正

文の間のスペースは自動で入り,単語間より広くとられます.
しかし,ピリオドなど(.?!)の直前の単語が大文字で終わる場合は文末と判断されません.

次のように,ピリオドなどの前に\@を前置することで,文間スペースに修正されます.

Type SELECT \@. Then, ...

反対に,小文字+ピリオドだと文間スペースができてしまいますので,単語間スペースとしたい場合には,\␣と書きます.

Cohen et al.\␣examined ...

語句間のスペース

quadまたはqquadにより,一定の関連性を持った語句の間に程よい長さのスペースを入れることができます.
qquadの方がほんの少し広めです.

y = f(x) \quad f\mbox{は関数}
y = f(x) \qquad f\mbox{は関数}

単語間スペース

単語間のスペースは適度にとられます.
次の形で改行を避けた単語間スペースを入れることができます.

A~B

なお,mbox{テキスト}の形でテキストを囲んでおくと,枠付きのframeで囲ったときと同様に改行されません.

文字のスペース

微小なスペース

小さい方から\,\:\;の順で,文字の間にスペースをはさむことができます.

負のスペース

\!でマイナスのスペースをはさむことができます.

A{\!}B
AB


参考文献

LaTeXの諸設定を解説した,LaTeXで組版された本です.

  • 生田誠三 (2000)「LATEX2ε文典」朝倉書店