画像の校正
画像の校正についての覚書きです.
目次
左右反転
画像には反転するとNGとなるものがあります.
画像が左右反転する理由は次のようなものです.
- 正常な画像で一度校正を通過したが,紙面で左右ページの入れ替えやレイアウト変更が行われたため,人物の向きを変えた.
- ある物事について左右にマナー上の意味があることを知らずに画像加工した.
- 原稿となっている一般人からの投稿画像がそもそも鏡像になっていた.
着物
着物の前合わせは男女とも右前です.
正面に立った相手には小文字の「y」に見えます.
食事風景
配膳は和食なら左がごはん・箸先,右が汁物が正しい図です.
洋食でカトラリーがセッティングされているなら右がナイフ,左がフォークです.
また,背景と人物を重ねる場合には,基本的には入り口から奥が上位者の席です.
人物
モデルにはほくろや利き腕等の身体的特徴がある場合があります.
著名人の場合はもちろん,一般人でも複数画像がある場合には注意が必要です.
路上
信号機は運転者から見て左が青信号,右が赤信号です.
架空の車でないなら,車種が特定されるので,左ハンドルか右ハンドルかがあります.
文字
文字が直接鏡文字になる場合のほか,鏡やガラスに映った文字が正しく読める場合もいけません.
影の方向
画像を一部反転した場合は,影にも注意します.
モアレ
モアレとは,複数のパターンを重ね合わせたことで周期のズレが生じ現れた縞模様のことです.
モアレが入ると画像が美しく見えません.
拡張子
画像ファイルの特徴は以下の通りです.
用途に応じて適切なフォーマットとなっていることが望ましいでしょう.
JPEG(ジェイペグ;Joint Photographic Experts Group;.jpg,.jpeg)は圧縮率に優れますが,非可逆圧縮方式のため上書き保存で画像が劣化していきます.
背景透過はできません.
PNG (ピング,ピン;Portable Network Graphics;.png)は可逆圧縮で,透過もできます.
GIF(よくギフと呼ばれるが,設計者によればジフ;Graphics Interchange Format;.gif)は可逆圧縮で,1ファイルの中に複数画像を格納することでアニメーション表示できます.
色数が256色と少なく写真などには適しません.
TIFF(ティフ;Tagged Image File Format;.tiff,.tif)は非圧縮のため保存による画像劣化がなく,印刷での画像品質を保てます.
反面,ファイルサイズが大きくなり,Webには適しません.
WebP(ウェッピー;.webp)はGoogle開発によるWebに適した軽量なフォーマットです.
CMYKカラーモデルには対応していません.
透過ができ,可逆/非可逆の圧縮方式が選択できます.
256色アニメーション可能です.
SVG(変倍ベクタ図形;Scalable Vector Graphics;.svg)は輪郭や色を計算するベクター画像なので,拡大・縮小しても画像が劣化しません.
しかし,計算式が複雑になってしまうので,写真のような画像だとファイルサイズが大きくなってしまいます.
解像度
Webサイトで使われる画素数による画面解像度は「解像度=横×縦のピクセル数」ですが,DTPにおける画素密度による解像度は「解像度=ドット数/インチ」(dpi)または「ピクセル数/インチ」(ppi)です.
印刷物の校正では多くの場合,粗すぎる画像はすぐに気が付くはずです.
しかし,本文の説明では不足するため画像中に小さな文字で書かれたテキスト等が判読可能でなければならない場合など注意が必要です.
見た目では判らないので,ARやリンクに使われる二次元コードの読み込みが不可能となっていないかについては特に注意が必要です.